さすらう人々

2014年07月29日掲載

巷では今、身元がわからない高齢者、行方不明の高齢者が問題になっています。私の診療所にも行方不明だった患者様(Sさん)がいました。月に1回の診療に必ずいらっしゃっていたその患者さんが予約日時を間違えるようになり、無断キャンセルばかりになり、とうとう来院されなくなったと思っていたら、行方知れずとなっていたのでした。ご近所の方と遠い親戚、警察の方のおかげで施設にいるところを発見された時には半年もたっていました。Sさんは1人暮らしで親兄弟、連れ合いの方もおらず、親戚は疎遠、もちろんご自身の名前、住所もわからず、本人確認はなんとご近所の方か歯科医師である私でしたが、今回は隣人の方が確認してくださいました。これからは歯科医師はご遺体確認だけでなく、生きている方の歯型確認も必要になってくるのでは?と思った出来事でした。

私 「Sさん、私のことわかりますか?」

Sさん「わかるわよ~。私の大切な人。」

・・・とりあえず、”大切な人”と言っていただけて、うれしかったです。

                                    (M.K.記)

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