歯科医の威厳はどこ

2016年04月22日掲載

第109回歯科医師国家試験が終了した。

既卒者1134名受験、合格者537名 合格率47.4%

新卒者1969名受験、合格者1436名 合格率68.1%

全体で3103名受験、合格者1973名 合格率63.6%

不合格者1130名

総出願者数3706名のうち、実際受験者数は3103名。603名の学生が受験先送りとなった。来年度の受験は新卒がおおよそ2000名弱、今年度の不合格者と受験先延ばし者と新卒合わせておおよそ3730名が出願することになる。この内600名ほどの受験見合わせが出て3100名前後の受験となり、65%弱が合格とすると1900名ほどの合格者が出る予想になる。受験先延ばし者は新卒567名、既卒は36名。要は大学も合格率を気にして卒業させなかった学生が15%ほど。

毎年の推移を見ていくと、平成20年3531名、21年3465名、22年3378名、23年3326名、25年には3200名、今年は3103名。

心配は、不合格者が増え続けることへの本人含めメンタルな問題と、合格率が上がって毎年3000名近い新規歯科医師が誕生することへの既存の歯科医のメンタルの問題。しかし、確実に歯科医師のレベルは向上しているように感じる。

国家試験だけではない。歯科環境を取り巻く課題は果てしなく続くであろう。最近きな臭いのは医師が歯科衛生士を指導できるような法改正も狙われている。歯科界として軽挙妄動な手段で政界を利用するのではなく、威厳を高めるための努力を考える時。

(N.T.記)

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